プリント物語
ある所に、金を稼ぐことに執念を燃やす学生がいました。
学生はとても頭が良く、有名国公立大学への進学が期待されていました。
学生の学校では、単元ごとにテストがあり、
毎回学生は満点を取っていました。
そんな彼がいつも徹底していることは、『答案を保管すること』でした。
配られる答案プリントはもちろん、自分の書いた答えも全て記録してありました。
学生の努力は実り、見事有名国公立大学に進学が決まりました。
教員は大喜びしました。そして学生に尋ねました。
「君はどの教材が今まで使ってきてよかったと思う?」と。
教員は、優秀な生徒を生み出すために使ったのはどの教材なのか興味がありました。
学生は満面の笑みでこう答えました。
「先生方がいつも使ってらしたものはすべてよかったのですが、特にいうなら、小テストですかね。あの問題のまますべてぼくの後輩たちに出したら、きっと優秀な生徒が輩出されるでしょう。」と。
教員は「なるほど。」と思い、学生がいままで解いたプリントやワークブックをすべて集め、編纂していきました。
次の日、学生のカバンには大量のプリントが入っていました。
そして学生は一階下の後輩の所へ行くと、
紙を取り出し大仰そうに言いました。
「1セット1000円。これでテストは満点だ。」